Foxwarren『Foxwarren』(2018) に関するメモ

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Andy Shauf率いるFoxwarrenの新譜がリリースされました。アンディを含むメンバー4人はカナダ・レジャイナで共同生活をおくっており、レコーディングもその借家でおこなわれたということ。


アルバム自体は10年前から構想があったものの、アンディがインディ・スターとなるなかでバンド活動は棚上げになっており、今回満を持してリリースされたという形のようですね。


1曲目の「To Be」、2曲目の「Lost In A Dream」は、共同生活を送っているという借家の情景を連想させるようなラフでフィールド・レコーディング感のある録音が特徴的。Blake Millsの「Break Mirrors」だったり、それこそアンディを評価したというウィルコの諸録音なども連想させます。彼らが影響を受けたというザ・バンドの「Up On The Cripple Creek」のような、小屋が揺れている…という感じのキック。


しかし、 3曲目の「Everything Apart」なんかはちょっと違って、最近流行りのキックとスネアがミッ!っという強力にミュートされた感じの音で、ハットが低い音でカシャッカシャいってるあの感じ。ドラムが中央に鎮座してボーカルを左右に振るという、結構大胆なつくり。


どっちかというと各楽器がしっかり分離されたデッドな音で録音されていて、1,2曲目とは録音時期やスタジオが違ったりするのかな?と思いました。(1曲目の「To Be」はかなり昔に作曲された曲のようですが、レコーディング時期は不明)


5曲目「I’ll Be Alright」、コレは凄い。左右交互にタムが鳴ってて、ボーカルもダブルで入れて左右に振り切ってる。すごい面白い録音。
バラッとした感じなんだけど、ラフな雰囲気が出てて素晴らしいですね。途中で弦楽器が入ってくるところがたまらないです。


7曲目「Your Small Town」やはり全体にザ・バンドだったりウィルコだったりの名前が浮かぶのですが、中期ビートルズグレイトフル・デッドなんかを愛聴してきたんだろうなという薄っすらとしたサイケ感もあり、それが面白く感じました。


8曲目「Sunset Canyon」、ドラムの鳴りがかなり好みです。クラップがマシンっぽいパッツンパッツンの鳴りなのが今っぽいと感じます。でもこれたぶん人が叩いてるんじゃないでしょうか? 録音が良いというだけでなく、ソングライティングそのものの良さを感じます。それと録音がしっかり噛み合っていて、強いです。


北米インディ以降というかBlake Mills以降というか、70年代のウッドストック/ベアズヴィル的なサウンドテン年代に蘇らせようとするような動きは根強く存在するわけですが、このアルバムはそういう類の録音の教科書になりうるレコードではないかと感じました。ジェフ・トゥイーディの『WARM』のときも思いましたが、定位実験だったり、必ずしも歌モノ的なバランスにこだわる必要のないあたり、北米インディはなんやかんや言って強いなあと感じました。